富士山頂までもう少し。8合目を出発する。
この辺りから、”富士山渋滞”が始まる。
この日は、特に登山者が多かったようだ。
各所に立っている、案内係りのお兄さんもビックリしている様子。
登ってきた道を見下ろすと、ヘッドランプの灯りが小さく揺れながら我々まで繋がっている。
灯篭流しってこんな感じなのか、、なるほど幻想的だ。
ここからテッペンまで一気に行くぞ!と意気込むが、同行者の体調がいよいよマズイい。
呼吸も乱れ、立っていることもしんどそう。
休み休み、少しずつ登っていくが、今シーズン最多の登山客のため渋滞も長い。
午前4時過ぎの御来光を山頂で拝むことができるか、、、少し微妙な状況となりそう。
とはいっても、正直自分自身もかなりシンドイ。
体力には自身があるし、精神的にもタフじゃないことはないと思う。
そもそも、なんで今回の富士山登頂を目指したのか、歩きながら何度か考えてみた。
色々考えたし、自分なりの答えは出たのだが、クソ照れくさいのであえて割愛。
いつか酒でも呑みながら聞いてやってくださいw
9合目付近。この辺りが、各登山ルートからの合流地点になっていた様子。
高速道路の渋滞のように、狭い料金所を1列で通過する感じ。
足を止める場面が多くなる。辺りは真っ暗。人の声以外には何も聴こえない。静寂。
それでも、頭上で瞬く星の数。それらの星のささやきと言ったら素敵。
3000mも月に近づいたんで、地上よりも身近に感じた。
とは言っても、何万光年分の1くらいしか近づけていないのだけれどね。
人間の無力さと、やれば3000mだって近づけるんだ!っていう希望みたいなものを感じた。
3/4くらいハゲながらも、力を振り絞り登る。
「頂上まで○m」の案内板が各所にあったが、最後に見たのは”あと400m”と記憶している。
その付近から頂上までは、2列で進めるようになっていた。
元気がある人は、右側を通行せよとのこと。とにかくノンストップで登れる人から順に行って良し。
体調不良者と同伴者を残し、右側をダッシュで登るが、コレがホントにシンドイ。
しだいにスピードが落ち、左側の列に加わることになる。
右側へ戻って数人を追い越しては左側に戻る、、、というインターバルをこなす。
そして、暗闇にややブルーが混じりだしたころ、ついに山頂の鳥居をくぐった。
先行者3名で、手を握ってくぐった。日本一高い鳥居。
俺は、、、俺たちは登ったよ。
17時の入山から、およそ11時間かけて、、。

山頂は、既に沢山の人であふれていた。
あちこちで、歓喜の声があがる。
遅れて登頂したみんなに拍手をおくっている。どよめいている。
プロポーズした男性もいたかもしれない。60歳の誕生日を迎えた方もいたかもしれない。
そしてまさに、人間としてもっと成長したい!人を愛したいと感じた俺がいた。
3700mに。
体調不良で苦しんでいたメンバー、同伴者も無事頂上へ。
どうにか意識はあるようだが、もう数歩も歩けないだろう、、、状況。
頂上の売店でビールを購入。600円で購入できたことは素晴らしい。
高い高いとは言っても、ライヴハウスでもそれくらいするからね、安いよ。
乾杯してイッキにあおるが、直後にものすごい睡魔に襲われる。
そりゃそーだ。滅多に夜更かしなんかできない俺が、一睡もせずに歩いたんやもん。
御来光まで、あと30分くらいと思われる。
みんなで写真を撮りあいながら、なんとか気絶しないよう心がけた。

そして御来光。
眼下に広がる雲海の絨毯。その先の朝日。ちょっとグっときたね。
体調不良のメンバーに、「良かったなぁ何とか御来光拝めて、、、」と振り返るが、
体力尽きたか、完全に気絶(寝てた)していた。
さぁ御来光も拝んだし、下山しますか!ってワケではないらしい。
メインイベント、お鉢巡りが残っている。
正しく聞いたわけではないが、富士山火口がお鉢状になっていて、
そこを一周(およそ70分)するんでそう呼ばれているみたい。
その途中に観測所?みたいなのがあって、そこが3776mの剣ヶ峰。
6名のうち3名で巡った。
火口や周辺に残っていた雪で雪合戦。まだまだ元気。
途中、影富士も見ることができて、初登頂でかなり満足でした。
その後、仮眠をとっていたほかのメンバーと合流し下山。
無事、地上の人となりました。
みんな、ホントによくやったと思います。
いずれ母ちゃんを連れて行きたいけど、しんどい思いさせるのは可哀想だなとも思う。
うーむ、どうしたら良いかな。
俺は、また行こうと思います。
今回のチャレンジがどんなに過酷で、どんなに素晴らしいものだったかを再確認しに。
ありがとうございました。